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建設業許可の制度とは|許可が必要な工事や取得要件について
建設工事を仕事とする場合、原則として「建設業許可」を受けなければなりません。
これは法律で決められたルールであり、許可なく営業を始めることは許されません。
新たな事業の立ち上げとして建設業を検討している方はこの制度について理解しておく必要があります。
建設業許可とは
「建設業許可」とは、一定以上の規模で建設工事を請け負うときに必要な許可のことです。
建設業法に基づく許可制度で、許可なく建設工事を請け負った場合違法となります。
許可を得ないと遂行できない工事には、次の種別があります。
- 建築一式工事の場合
・・・1,500万円以上の工事、または延床面積150㎡以上の木造住宅建築工事
※「建築一式工事」とは、企画や指導などを総合的に実施して建築物を建設する工事のこと。 - 建築一式工事以外の場合
・・・500万円以上の工事
逆にいうと、上記の条件を満たさない軽微な建設工事であれば必ずしも許可を受ける必要はありません。
許可の種類
建設業許可は次の2つに分類することができます。
許可の種類 | 要件 |
特定建設業許可 | ・下請契約の金額が5,000万円以上(建築工事業の場合は8,000万円以上) ・マンションの建設を請け負うケースなど |
一般建設業許可 | ・下請契約の金額が5,000万円未満(建築工事業の場合は8,000万円未満) ・一軒家の建築を請け負うケースなど |
※2025年2月から金額要件が改訂されており以前に比べて基準額が増額している。
参考:https://www.mlit.go.jp/report/press/tochi_fudousan_kensetsugyo13_hh_000001_00267.html
建設業許可を受けるには
建設業許可を受けるには、一定の要件を満たし、国土交通大臣または都道府県知事に対して許可を求める申請を行わなければなりません。
そこで少なくとも次の要件はクリアする必要があります。
- 建設業の経営に関して一定期間以上の経験を持つ者が1人以上いること
- 営業所ごとに、一定の資格または経験を有する「営業所技術者等」を専任で設置すること
- 「自己資本が500万円以上ある」、または「500万円以上の資金調達能力がある」、あるいは「申請前5年間で許可を受けて営業した実績がある」
- 不正・不誠実な行為をするおそれが明らかではない、「誠実性」があること
- 欠格要件(破産者であって復権していない、一定期間内に建設業法に違反していない、など)に該当しないこと
さらに、求めるのが特定建設業許可の場合には以下の要件も追加でクリアしないといけません。
- 欠損額が資本金の額の2割を超えていない
- 流動比率が75%以上
- 資本金が2,000万円以上、かつ自己資本が4,000万円以上
詳細は国土交通省のホームページから確認できますので、申請を行う前に一度目を通しておきましょう。
https://www.mlit.go.jp/totikensangyo/const/1_6_bt_000082.html
許可取得後も法令遵守が必要
いったん許可を受けることができたとしても、法令に準拠できていなければ取り消されるおそれがあります。
たとえば経営業務の管理責任者や営業所技術者等の変更があったときには届出をしないといけませんし、建設業許可の標識は営業所および工事現場ごとに掲示しないといけません。
ほかにも法令で定められた義務に従い、適正な事業を続ける必要があります。
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