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特殊車両通行許可の違反と罰則
大型の車両や重量が重い車両などは道路を破壊するおそれがあることから、一定の大きさや重さを超える車両を特殊車両とし、特別な道路以外を通行する際には道路管理者の許可を受けるよう道路法で定められています。この許可を特殊車両通行許可と呼びます。ここで特殊車両として分類されている車としては、建設工事などで利用されるトラッククレーンや、自動車の運搬で利用される自動車運搬用のトレーラーがあります。
道路に関しては全ての道路において許可が必要というわけではありません。一般的な道路よりも通行の条件が緩やかに設定された高さや重さの上限指定道路では特殊車両通行許可なしでの通行が可能となります。そのため、通行する道路によって許可申請が必要でないこともありますが、そうした道路までの間に特殊車両通行許可が必要な道路を通行することが多いため、ほとんどの場合で特殊車両を通行させる際は特殊車両通行許可が必要となります。
特殊車両通行許可の取り方としては、車両や積載物、通行経路、通行日時などを記載した申請書を申請することとなります。申請先は通行する道路によって異なりますが、国道事務所や地方自治体の道路管理者となります。またオンラインでの申請も可能となっています。
特殊車両通行許可に関しては、道路法上要求されているものであるため、許可を得ない場合や許可の条件に反した車両を通行させた場合には道路法違反となり、罰金などが科されます。具体的には、無許可または許可条件に反した車両を通行させた場合、あるいは通行証を不携帯の状態で車両を通行させた場合には100万円以下の罰金が科されることがあります。
他にも道路管理者などから許可条件に反しているなどの理由により積載貨物の削減・分割を命じられたり高速道路での入口でのUターンなどを命じられたりすることがありますがそうした措置命令に違反した場合、あるいは車両の通行が禁止されている道路を通行した場合には6カ月以下の懲役又は30万円以下の罰金が科されることがあります。こうした罰則は通行者として車両を通行させていた従業員だけでなく、会社にも適用されるため、会社も罰金を支払わなければならないことがあります。
また死亡や重傷事故などの交通事故を起こしたり常習的に違反が認められたりした場合には違反者として公表される、通行許可自体が取り消されるといったこともあります。
特殊車両通行許可については、違反した場合は罰金だけでなく懲役刑を受けることもあり、公表などにより会社自体が社会的な制裁を受けることにもなりかねません。そのため、特殊車両を通行させる際は、許認可について詳しい行政書士などに相談し、特殊車両通行許可を適切に申請することが重要です。
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