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道路を車で走るにも法律上の制限がある!大型・重量のある車両が注意すべき仕組み
道路を車で走るにあたって、実はさまざまな法的制限が設けられています。
一般のドライバーが日常で意識する機会はあまりありませんが、道路という公共インフラを維持し、道路利用者の安全を確保するため、法律によって車両の通行には一定のルールが定められています。
2つの法律による制限がある
車両の通行に関する法的制限は、主に「道路法」と「道路交通法」という2つの法律によって定められていますが、それぞれ異なる目的を持っています。
道路法は、道路そのものの整備や管理、構造の保全を主眼としており、道路インフラを重すぎる車両や大きすぎる車両から守ることが主な目的です。
一方の道路交通法は、道路を利用する人々の行動やルールを規定し、交通の安全と円滑な流れを確保することが主な目的です。
道路法による制限の特徴
道路は、ある想定された範囲内で、車両が安全かつ円滑に通行できるように設計されています。
その前提のもと、道路の構造を保全し、交通の危険を防止するため、道路法で車両の大きさや重さなどに制限をかけているのです。
第四十七条 道路の構造を保全し、又は交通の危険を防止するため、道路との関係において必要とされる車両・・・の幅、重量、高さ、長さ及び最小回転半径の最高限度は、政令で定める。
引用:e-Gov法令検索 道路法第47条第1項一部抜粋
https://laws.e-gov.go.jp/law/327AC1000000180
制限の対象となるのは、幅・長さ・高さ・総重量・軸重・隣接軸重・輪荷重・最小回転半径といった車両の基本的なサイズや重量です。
これらの数値を「一般的制限値」と呼び、全国的に一律で適用される基本的な制限として機能しています。
制限値を超えるときは「特殊車両」として扱われ、原則として道路の通行が禁止されていますが、道路管理者の許可を得て通行することは可能です。
なお道路管理者は、必要に応じて個別の道路や構造物(橋梁、トンネルなど)に対して道路標識により独自の制限を設けることもでき、これにより各道路の特性や構造に応じたきめ細かな制限も実現されています。
道路交通法による制限の特徴
道路交通法は、主に交通の安全と秩序の維持を目的としており、道路標識などを用いて交通規制を実施します。
速度制限、駐車禁止、通行禁止などの規制がこれに該当し、道路上の危険防止や円滑な交通を図っています。
制限を超える場合の対応
一般的制限値を超える車両についても、完全に通行が禁止されているわけではありません。
特殊な事情がある場合には所定の手続きを経て通行することが可能で、近年は従来の許可制度に加えて「確認制度」も導入されました。
一定の条件を満たす場合にはオンラインで即座に通行確認を受けることができ、同制度の利用により、物流業界などにおける手続きの負担は軽減されることでしょう。
違反に対する法的措置
法律上の制限に反して通行した場合、ペナルティを受ける可能性があります。
軽微な違反であれば指導や警告にとどまりますが、悪質な違反に対しては措置命令が出され、通行の中止や積荷の軽減が命じられることもあります。
特に重大な違反、たとえば基準の2倍以上の重量違反などについては、即時告発の対象となり、刑事処分を受けることもあるかもしれません。
罰則は運転者だけでなく、事業主や法人にも及ぶため、法令違反は経営上のリスクでもあることを認識しておきましょう。
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